配属が決まった新卒の方やインターンで
「初めてやる仕事なので進め方が分からない」
「評価を上げて出世したいけど正解が分からない」
「よく上司に怒られるけど、問題点改善策が分からない」
そういった、仕事の進め方や評価の上げ方でお悩みの方は少なくないはず。
当記事では、ビジネススキルを高める一つの方法論として
実践的な仕事の進め方=「段取り力」をご紹介します。
・段取り力って何?
段取り力と聞いて何をイメージするでょう?
一言でいうと段取り力とは
仕事を円滑に進めるための下準備の力です。
段取り力を身に着けることが出来れば、どんな環境や状況であっても
最終的なゴールに対して早く正確に、仕事も漏れなく進んでいくことが出来ます。
逆に段取り力が悪いと関係者を不安にさせてしまったり、
仕事を依頼した人のイメージと違う作業をして依頼者・被依頼者共にお互いに無駄な時間を発生させてしまったりという、誰の得にもならない状況に陥ってしまいます。
そして、段取り力は大きく3つの項目に分類することが出来ます。
①分解する力
②整理する力
③理解する、理解させる力
①分解する力
分解する力とは、文字通りで仕事をどれだけ正確に分解できるかという力です。
仕事を正確に分解できるかどうかは主に次の3つの方法論に依存します。
・仕事を4象限で分解する
仕事を分解する方法として一番基本的なのは重要度と緊急度の2軸で分解する方法です。
この方法論は、各仕事の重要性が高いか低いか、緊急性が高いか低いかを切り分けて
第一優先 重要度(高) 緊急度(高)
第二優先 重要度(低) 緊急度(高)
第三優先 重要度(高) 緊急度(低)
第四優先 重要度(低) 緊急度(低)
という緊急度を第一優先事項として整理する方法です。
この分類によって
「今注力しなくていいことに時間をかけすぎた、、、」
「進めやすい仕事を優先して緊急度の高い案件をおろそかにしてしまった、、、」等の失敗を予防することが出来ます。
要する時間やインパクトの大きさ、関係者の立ち位置などでも更に細かく分解もできますが、
一旦一番最初はこの4象限に従って分類し、同じ象限内の仕事の優先度は上長に確認しながら進めるのが手っ取り早いかもしれません。
・仕事を細かく分ける
さあ、仕事を4象限でざっくり分解出来たら、次は各仕事を分解する作業に入ります。
分かりやすくするために「大学でレポートを書く」という例で説明します。
大きな流れとしてはまず細部から取り掛かるのではなく、目次を作るところから入りましょう。
自分がやりたいこと、やりやすいことから始めるのではなく、
最終的な成果を満たすMECE(抜け漏れや被りがない状態)をまずは目指すところから始めましょう。
その意識でとりかかるといざレポートを書くという仕事が発生したときに
「よし、まずはやらなければいけないことを洗い出すぞ。目次としては、レポートの定義、テーマ設定、主張、結論が必要になるな。定義に関しては教授が出しているお題通りでよくて、テーマ設定には文献を漁ることとニュースを見たうえで課題感の把握が必要だ。主張に関してはメインの主張を考えるのと、主張をサポートするための根拠を固める必要性があるな。結論はそのまま書けばいいや。よし、大きな流れは完璧だ。」
と必要項目を洗い出せばMECEな状況が作れる、かつ、やらなければいけないことを可視化することで
モチベーションに左右されず仕事を進めることが出来ます。
人間はどうしても漠然とした物事に対して不安を感じやすく、不安を抱えたままでは仕事を推進していくのが難しいので、まずは自分のために全体感を掴むというのは何事においても非常におすすめです。
・時間を分解する
さて、仕事の分解が出来たら後はスケジューリングです。
後述する「時間を整理する力」と若干被るのですが分解して想定した必要事項が
‐レポート定義
‐テーマ設定
‐課題把握(文献読む、ニュース読む)
‐主張作成
‐根拠調査
‐結論記載
で1/10が締め切りだったとします。
その際、レポートの定義とテーマ設定は早めにやっておくために1/4までに実行、
課題把握と主張作成は提案の肝の部分だから1/6まで時間をしっかり確保
1/8までに根拠と結論を揃える。
など、分解→整理→スケジューリング→実行という大きな流れをとりましょう。
これをやることによって、
「1週間も余裕があったのに1日で資料を作らなきゃいけなくなった」
「一番重要なところが整理できてなくて上長に効果的な質問ができなかった」
「70%の成果でお客様の信用を作れなかった」
等の失敗は確実に減り、+αの動きをとることで受注の確率をあげることが可能になります。
・仕事を分類する
次の仕事を分類する力、分解する力とはちょっと違います。
分解する力が穴を掘っていくイメージだとしたら、分類する力は空を飛ぶイメージです。
自分がやっている仕事を客観的な視点でみてみましょう。そうすると、仕事は大きく
‐成果を生む作業
‐必要な作業
‐無駄作業
に分かれていることがわかります。
その分類が見えていない状況だと、意味のないことに時間を使ってしまったり、無駄なことを継続してしまったりと
色々な危険をはらんでいます。
また、第三者視点に立つときは上司やお客さんの視点に立ってみるのをお勧めします。
自分が価値を与えている相手によって成果や無駄などは大きく異なる可能性が高いからです。
また、他にも
ー評価される作業
ー独りよがりで評価されない作業
ーそもそも疎ましく思われる作業
という分類など、自分なりの分類を探して、どんどんプラスに使う時間を増やす、マイナスに使う時間を減らす、無くすということが出来ると成長の角度は圧倒的に右肩上がりになります。
②整理する力
次に必要なのは整理する力です。
・自分の力量を整理する
自分の力量を整理するとは、要はタイムマネジメントとスケジューリングの力です。
あらかじめ自分がその日にやることに優先順位をつけず、やみくもに仕事を進めてしまうと、
急遽の仕事が入った時の対応に追われて仕事が後ろ倒しになってしまったり
緊急性の低いことを優先的に進めてしまい、緊急性の高い仕事がおろそかになってしまいます。
時間を整理して、適切なスケジューリングをする力をつけるには
◎自分が何を何分で終わらせられるかを把握する
◎時間を圧縮する、仕事を捨てる
上記の対応をとったうえで
電車移動や寝る前に1週間単位でやることを整理する
スケジューリングの習慣を作る必要があります。
スケジューリングってテトリスのようなものです。
落ちてくるブロックの形や大きさを把握していないと適切な箇所に落とし込むことが出来ないですからね。
自分が何にどれくらい時間がかかるかを把握するのはめちゃめちゃ簡単だし、
それをしていかないと業務処理の速度が上がらず、成果を生むような動きがとりにくくなるので
必ず対応しなければいけないことだと理解してください。
そして仕事の所要時間を整理するときのコツは仕事の分解をこれ以上ないってくらい細分化したうえで行うことです。
逆算して思考していくのが最も効率的で、分解した時の粒度が粗いと何に時間がかかっているかを理解できないためです。
おすすめの方法としてはExcel等でタスク管理表を作って
ストップウォッチを使って各タスクの記録を取りつつ埋めていく作業です。
2-3週間続けるだけで、自分がやっている仕事にかかる時間はおおよそ把握できるはずです。
・障害を整理する
次の時間を圧縮する、仕事を捨てるに関してですが
圧縮するに関しては結構簡単で自分が何に時間をかけてしまうのかを
ストップウォッチを使って丁寧に把握したうえで、障害になっている箇所をつぶす作業です。
例えば、なにかしらのレポートを作成するときに要素を分解すると
・数値を集計する
・集計した数字を整える
・レポートの体裁を整える
・結果の考察を考える
・結果から次の仕事を導く
という要素に分解されます。
その際、例えば数字集計と体裁整理に時間がかかっていたら、
レポートのひな形をあらかじめデータを張りづけるだけで完成するように作っておくとか
結果の考察を考えるのに時間がかかっていたら先輩のレポートを真似する、レポート事例を予習するなど
そもそもの効率化もしくは自分の能力を上げにいくというのが時間を圧縮するという考え方です。
・やらなければいけないかどうか整理する
そして仕事を捨てるですが、こちらは文字通りに仕事を放り投げるわけではなく
無駄だと思うことに対してきちんとNOという、もしくは違う方法がないかを考えるということです。
常日頃から仕事に対して前のめりに考えていて、やらされる意識ではなくやっている意識(当事者意識)を持っていたら自ずとできることです。
とはいえ、相手に合わせたコミュニケーションの取り方には配慮が必要です。
「これやる意味あるんスカ?」って本質的な問いをしてくる新人、僕は好きですけど嫌いな人も中にはいますからね笑
・期限を整理する
時間を整理する力として、若干応用の領域にはなるのですが対他者に対して”バッファを持たせる”ということも重要になってきます。
※バッファを持たせる=時間に余裕を作る
要するに余裕をもったスケジュールをそもそも切っておく、ないしは余裕をもったスケジュールを先に伝えておくという
時間を整理する力と理解してもらう力の掛け合わせスキルです
バッファを持たせられるようになると、
‐期限に間に合わせることが楽になる
‐100%の完成度のものを重要度に合わせてさらに改善できる余地を作れる
‐無理な残業が発生しにくいので働き方が楽になる
などなど、いいことづくめです。
ただ、対お客様に対してのスケジューリングは慎重に、、、
お客様が求めているものに100%で応えるのがプロです。
③理解する理解される力
・理解される力
まず、理解する力(つまり地頭)よりも理解される力が特に新人には必要です。
まだ右も左もわからない状況で、自分が何をやっているかを上長がわかっていないと
方向の修正も適切なフィードバックも得られないからです。
だからこそ、ホウレンソウということは新人には自分のためになる必須スキルになります。
ホウレンソウって限度はあれどやりすぎることはないし
やっていくだけで自然と身につくというサイコーの特性を持っています。
ホウレンソウは
‐やり直しを防げる
‐よりよいアウトプットにつながる
‐責任の所在を分散できる(いやな上司に詰められる余地をなくす)
等の色々なメリットがありますし、ホウレンソウの密度や質を高めるだけで
他者からの信用を簡単に獲得できるといいことづくめです。
自分の進行状況や方向性をを理解させることで
相手も自分も安心してプレッシャーなく働くことが出来ますね。
・背景を理解する
次は理解する力です。これは時頭に近い部分ではありますが業務内容自体を理解する力(勉強をする力)とはまた別です。
一番の代表例は背景の理解です。
本当に段取りが良い人は、任された仕事の背後関係を理解することを一番最初に行います。
たとえば、これは元々は社長から降りてきた仕事で、最終的には社長が判断することになるから
社長に刺さりやすいアウトプットにしてみよう。とか
これは社内向けの資料だから時間をかけずに簡単な成果物でいいや。とか
このお客様はこういう背景で相談をしてきたから、こういう返し方にしよう。とか
関わっている人や状況の全貌を理解するだけで、力を入れる濃度や提出物の質、形式がそもそも違ってきます。
それに対応するためにはまずは相手の視点に立って相手が必要としていることを理解する力というのが非常に重要になってくるのです。
・要因を理解する
理解する力のもう一つは成功要因と失敗要因を理解する力
つまりは効果を検証して次のアクションにつなげるPDCAを回す力とも言い換えられます。
段取りが良い人は無駄な時間を作りません。
自分が実行したことを次に最大限つなげていくために成功/失敗した際の要因分析を常に行い良かったところを伸ばし、悪かったところを無くすというサイクルをもって徹底的に自己研鑽につなげていきます。
まとめ
段取り力は誰でも簡単に実行が出来、それでいて自分の成長にダイレクトにつながるビジネスマン必須のスキルです。
新卒やインターンの方もこのスキルを身に着けるだけで他人と圧倒的な差をつけて成長することが出来ます。
是非、当記事を参考に基本的な仕事の進め方の指針にしてもらえれば幸いです。

こうじろう

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