働き方 2018.5.15

ポジティブな“障がい者の就労・雇用”の為にできること

どうも、でじたりあん編集長横井です。

今回は、「障がい者の“働く”」というテーマについて、また「障がい者と働く」というテーマについて考えていきます。

みなさん「障害者雇用促進法」という法律をご存知でしょうか?

「障害者雇用促進法」とは、正式名称を「障害者の雇用の促進等に関する法律」と言い、障がい者の職業の安定を図ることを目的とする法律です。障がい者雇用の義務に基づく雇用促進の措置や、職業リハビリテーションの措置等を促す役割を果たします。

その障害者雇用促進法について、先月(2018年4月)“とある改正”がありました。
改正の内容は、

  • 4月から民間企業における法定雇用率が2%→2.2%に変わった(※)
  • 雇用義務の対象となる障がい者として、これまでの身体障がい者、知的障がい者に、精神障がい者が加わった

というものです。

※「法定雇用率」・・・民間企業や、国、地方公共団体に対してそれぞれ設けられている(今回は障がい者の)雇用の割合。

このため、企業側としては、法定雇用率を達成するために精神障がい者の雇用を進めなければならないものの、雇用経験が乏しいため、対応に追われているそうです。

果たして、今必要なものとは何なのでしょうか。

ヒントを得るために、障がい者の“働らく”を支援する、株式会社LOGZ代表取締役社長・古徳一暁さんにお話を伺って参りました。


就労移行支援事業所“ルーツ”


<お話を伺った方>
古徳 一暁(ことく かずあき)氏(27歳)
株式会社LOGZ 代表取締役

横井
では、まず御社が手掛ける障がい者支援事業について教えて下さい。
古徳社長
大きく分けると2つあるんですが、まず1つは「就労の支援」です。精神障がいや軽い鬱だったり…今とても増えているんですけれども、そういった障がいがあっても、「戦力としてキャリアアップが望める仕事に就き、仕事に生きがいを見い出して欲しい」という思いで、就労移行支援事業所“ルーツ”という支援施設を設けております。
横井
支援の内容はどういったものでしょうか?
古徳社長
コミュニケーション能力や就労スキルを伸ばすための訓練や就職活動の練習等を行います。特に就労スキルとしては、我々の強みはwebスキルなので、パソコンスキルの基本からプログラミング・デザインまで、様々なカリキュラムで学べる環境を提供しています。
横井
“就労スキルの基礎だけ”でなく、幅広いカリキュラムで学ぶことができるんですね。
古徳社長
なぜそれをやるかと言うと、法人さんに、ポジティブに“戦力”として採用して欲しいからなんです。当然、“得意・不得意はある中で”の話ですが。。
そうすることで例えば、“コミュニケーションをとるのが苦手”だとしても“プログラミングとか細かいことが得意”という長所があれば、その苦手な面について、人って配慮できるものなんですよ。「この人はここがすごいから、こっちの苦手なことについてはサポートしよう!見守ろう!」といった感じで
横井
なるほど。。確かに潜在的にそういう意識は働くかもしれませんね!
古徳社長
そうすると、就労する方は自分の得意分野でやりがいを持って働けますし、周囲の人ともいい関係性を築くことができるんですよね。
横井
みんなにとって良いですね…!
古徳社長
誤解されがちですが、そういった専門スキルを「学習することそのもの」へのハードルはないですしね…!うつ病の人だって、別に学習能力に差はないんです。
「仕事は嫌だけど、むしろ学習意欲は高い」っていう人もいたりとか、、まあその辺りは結局人それぞれなんですね。
横井
なるほど…!
古徳社長
なので、その人その人に合ったアプローチをすることにしていますね。鬱だったら、「やりたいことだけやっていいよ。」とか。そしてその資格をとったりとかして、自信に繋げてもらうとか。。
障がいに合ったアプローチっていうのは工夫しています。

法人向け障がい者雇用支援サービス“COMPASS”

古徳社長
そして事業の2つ目ですが、「法人向けの障がい者雇用の支援サービス」ですね。障がい者雇用に悩みを抱える事業主に対し、雇用戦略や、採用時のサポート、訓練を受けた人材の紹介、職場の環境整備、CSRなど、一貫したサポートを行っています。
横井
雇用主向けの事業も展開しているんですね。
古徳社長
そうですね。で、職場の環境整備としてコンサルティングを行う中で、意外と健常者が気付かない感覚をお伝えしています。「この幅の通路では車椅子は通れないですよ。」とか。。
また、訓練を受けた人材を紹介する際は、障がい者の方、その人その人の個別の“カルテ”みたいなものを作ってお渡しすることで、接し方などについて理解してもらえるようにしています。
横井
なるほど。。
古徳社長
これが、障がい者雇用サポート事業“COMPASS”です。これも「ポジティブに“戦力”として障がい者雇用を行って頂きたい」という想いから行っていますね。
横井
「ポジティブに“戦力”として」というのは1つキーワードな感じがしますね…。
古徳社長
そうですねえ。まあ、それはなぜかというとですね、、
厚生労働省が“法定雇用率未達成の企業”を発表しちゃうんですよね。だから「とりあえず会社の対応としては、、障がい者を雇って、そしたら畑とか買って、まあそこで働かせちゃえばOKでしょ?」みたいなことができてしまうんですよ。
横井
ええっ!?
古徳社長
「とりあえず法定雇用率を達成する」っていう、「ズレた目的」でこういう働らく場が作られるって、、おかしな話じゃないですか!
横井
はい…!でもそんなことあり得るんですか?
古徳社長
現実にこのようなことがあったんですよ。

だからこそ、「もっと戦力として、ポジティブに障がい者採用をしてもらえるように」と、法人向けのサポートも行うわけです。。

横井
そういうことだったんですね。
古徳社長
例えば、統合失調だけどすごい技術を持ったエンジニアの人がいるんですよ。あ、統合失調というのは、人に見られるだけで「自分は笑われている」と感じてしまったりするんですけど…こういう場合は「業務中は集中ブースに居てもらって、メンバーとはチャットで向き合おう」という形にするだけで、エンジニアとして大活躍してくれるわけですよ。
横井
そういう一工夫だけで大きく変わるんですね。。
古徳社長
そんな人が畑仕事とかさせられちゃったら…もったいなさすぎるじゃないですか!大事なのは「採用して、その人材をどう活かすか」なんですよね。
横井
そうですね、雇用主にとっても損ですしね。。
古徳社長
その人の“特徴”とそれを活かす方法が明確になれば、企業としても“ポジティブな障がい者雇用”がやりやすくなる筈なんですよね。
病気の特性上、障がい者の離職率が高くなかなか定着しないと言われていますが、その辺りが変わるだけでもだいぶ長く働けるようになっていくと思うんです。

今後の展望

横井
ちなみに今後の展望などを教えて頂くことはできますか?
古徳社長
今後は働く障がい者の方にスポットライトを当てたメディアみたいなのも作りたいと思っています。健常者で活躍している人のメディアっていっぱいあるけれど、障がい者で活躍する人を紹介するメディアってなかなか無いじゃないですか。。
なので、「こんな風になりたい!」と思われるような“活躍する障がい者”を紹介したいですね。
横井
そんなメディアがあったら、多くの障がい者の方が勇気付けられそうですね。
古徳社長
そうですね。また、そんなロールモデルがあれば、企業側も障がい者採用に困らなくなっていくと思うんですよ。
例えば、IBMのエンジニアとして活躍している身体障がい者がいたりとか…そういった、いわゆる“ヒーロー”はポツポツと出てきてはいるんですが、まだ、数は少ないので。。
横井
なるほど。
古徳社長
あと、“予防系”もできたら良いなと思っています。
横井
予防系、、どういうことでしょう?
古徳社長
精神的に参ってしまったり、鬱などになってしまわないための予防ですね。
ストレスチェックとか、正直、企業は建前としてやっているけれども「じゃあ、実際どの程度予防できているの?」と思うんです。データ学習だったりAIを使うことで、もっとできることがあると思うんですよね。
横井
そうなんですね。。
古徳社長
まあ、“(ストレスチェックを)導入すること”が目的になっている場合が数多く存在しているということなんですよね。「鬱を予防すること」が目的になっていないんです…。障がい者採用の目的が「採用して法定雇用率を達成すること」になってしまっているのと同じですね。
横井
なるほど。。
古徳社長
そうですね。あと、そういった“感覚”と併せて、障がい者への“偏見”も無くしたいです。先ほども例を出していますが、障がいを持っていても、接したら「すげえ!」って思う部分がいっぱいあったりするんですよ。
横井
そういったことを知っておくだけでも大きな違いですね。。

まとめ

「障がい者の“雇用”」に悩んだ時こそ必要となるのは、「障がい者の“就労”について考える」ことなのかもしれません。

障がい者雇用促進法の目的は、“障がい者の職業の安定を図ること”であり(それに従うなら)、まずシンプルに「就労に困っている障がい者」の視点に立って課題を見定め解決していくべきだからです。

また、雇用主だけでなく、障がい者と共に働く周囲の人々にもできることはたくさんあるはずです。“特徴”を理解することで無くすことのできる“偏見”もあると思います。

(それにより障がい者の方がポジティブに働くことができれば、結局、それが雇用主にとって“障がい者雇用に困らない”一番の近道になるということもわかりました。)

ただ、当然雇用主も障がい者も本質と向き合い、奮闘した上で悩む場合も多いと思います。
そんなとき、両者の橋渡し的な役割を果たしてくれる“ルーツ”、“COMPASS”、そして株式会社LOGZの今後の動きには、やはり期待が高まります。

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横井貴明

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DIGITALIAN編集長。本職はお笑い芸人です。書道が好きです。

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