〜ここはとある某大企業の会議室(失敗例)〜
マーケティング担当A「それでは御社に広告費年間30億円お預け致しますので宜しくお願い致します。」
広告代理店営業B「有難うございます!社内一同、御社のために頑張ります!」
A「宜しくお願いします!
それではまずレポートは昨日までの実績を毎朝10時までにお送り下さい。
項目はこれとこれとこの項目は必須で、あっあと、この項目も必須で、それぞれの考察をください。」
B「はっ、はい!畏まりました!(毎日となると結構たいへんだなぁ、、でも大型クライアント様だし仕方ないか)」
A「あっ、あとお打ち合わせは週に2回2時間程頂きたいです。弊社にご足労頂けると助かります。その際の資料は毎日のレポートではなく、こちらから所定のアウトプット内容でお願いします。後ほどお送りしますね。
お打ち合わせの際にはBさんと、運用担当の方と、オペレーションの方と、クリエイティブ・ディレクターの方も参加頂きたいです。上長さんも参加頂けたりしますか?」
B「あっ、あっ、はい!か、畏まりました!(週2回!?しかも5人参加か、、社内調整しないとな。でも、インパクトが大きいクライアント様だしな、、)」
A「あっ、あと!」
B「!?(まだあるのか!?)」
A「月次定例会ですが、社内報告体制上、月初3営業日以内に1ヶ月分のデータを集計&分析して頂いて今後の方針も含めてご報告して頂きたいです。まあ、予算も予算ですからね!」
B「はい!?(月初3営業日以内!?)」
A「あっ、あと!!!そうですね、お打ち合わせのお時間は3時間くらい見て頂けると有り難いです。事前に弊社管理ツールをご共有致しますので、このタイミングでROI/ROAS/LTV等の実収益に関しても集計してご報告お願いします。あっ、あと、常に新しい情報も欲しいのでお打ち合わせとは別に1時間新しい広告媒体のご提案もお願いします。増額もありえますよ!」
B「!?!?(えっ、っちょ、ちょっと、まっ・・)」
A「あっそれと!!!!、御社のマージンなのですが20%は高すぎると思うので、5%値引きでお願いできないですかね?御社にとっても大きい予算だと思いますし、お客様は神様とまでは言わないですが笑」
A「あっ、あと!!!!!!!!!!!(怒涛の勢い)」
B「かっ、かし、かしっ、こまり、かしこんdじゃほqひrくぃhrぎhくぉいrひqりおあjりfrq(死亡フラグ)」
〜社内に戻り〜
B「・・・と、、ということで、こ、、このような体制になりますが、大型クライアント様なので、皆で力を合わせて頑張りましょう」
チームメンバー「・・・。(白目むき出し頭痛吐血寸前の死亡フラグ)」
〜1ヶ月後とある某大企業の会議室〜
B「・・・と、以上がご報告となります(まずは1ヶ月乗り切った!!達成感!!)」
A「有難うございます。初月としてはまずまずですね。
あっ、あとそれと!!!!!!!!」
B「・・・(白目むき出し頭痛吐血中)」
チームメンバー「(へんじがない。ただの しかばねの ようだ。)」
〜半年後とある某大企業の会議室〜
B「・・・と、い、、いいい、、、以以上、上上、異常、、いいいい以上がご・・ごごごごご、、ごごごご報告となります(空虚)」
A「あっ、あとそれと!!!!今までの報告体制ってちょっと違うなと思い始めて、もっとこういう風にして欲しいのですが、具体的には・・。」
B&チームメンバー「(へんじがない。ただの しかばねの ようだ。)」
〜さらに1ヶ月後とある某大企業の会議室〜
C「はじめまして!Cと申します。B&チームメンバーが、一身上の都合により退職しましたので、私が御社の担当となります!宜しくお願い致します!」
A「あっ、そうなのですね。。残念です。なんででしょうね(自覚なし)」
新メンバー一同「宜しくお願い致します!」
A「宜しくお願いします!早速ですが、ご依頼が御座いまして!」
C&新メンバー一同「はい!喜んで!」
〜さらに半年後、深夜11時社内にて〜
上司「お前ら昨日帰ってないみたいだけど、大丈夫かー?」
C&新メンバー一同「(へんじがない。ただの しかばねの ようだ。)」
上司「クライアント様のために働け!!!聞いているのか!」
C&新メンバー一同「(へんじがない。ただの しかばねの ようだ。)」
「お客様は神様」
このフレーズの由来は新潟県出身の浪曲師、演歌歌手の三波春夫さんの言葉が語源と言われています。【三波春夫オフィシャルサイト】から引用をさせて頂くと、下記の様に説明をしています。
引用元:http://www.minamiharuo.jp/profile/index2.html
三波春夫にとっての「お客様」とは、聴衆・オーディエンスのことです。客席にいらっしゃるお客様とステージに立つ演者、という形の中から生まれたフレーズなのです。
三波が言う「お客様」は、商店や飲食店などのお客様のことではないのですし、また、営業先のクライアントのことでもありません。
しかし、このフレーズが真意と離れて使われる時には、例えば買い物客が「お金を払う客なんだからもっと丁寧にしなさいよ。お客様は神様でしょ?」と、いう風になるようです。そして、店員さんは「お客様は神様です、って言うからって、お客は何をしたって良いっていうんですか?」という具合。俗に言う“クレーマー”には恰好の言いわけ、言い分になってしまっているようです。
つまり、三波春夫さんの真意とは違う伝わり方が一般的となっています。
では、なぜそのような解釈がされたのでしょうか。
筆者なりの見解ですが、これは恐らく「お金を払う側が高い立場に立てる」といった間違った考え方が根本に日本にはあるのかもしれません。
(だいぶ無くなってきたと思いますし、弊社では先ほどの例のようなクライアント様はおりませんが)
例えば、「クレーム(アドバイスや改善提案ではない)はお客様からの神言だ!宝のものだ!資産だ!いうことを全て聞くぞ!」
といった教育方針がある会社が存在するとすれば、そういった考え方が社内に浸透されていきます。
個人ベースでも、「お金を払っているんだから」と横暴な対応を店員さんにする方は言葉の意味をよく考えず、言葉の表面だけで発言をしているのでしょう。
そもそも神様という存在があるとしたら、お金を払ったりすることはありませんね笑
むしろ参拝等でお金を我々がお賽銭を上げますよね。
これとか、面白い
引用:
omoshiroihanashi@omoshiroihanasi
客『お客様は神様だろ』 歴史学「そんな史実は無い 経済学「需給関係から逸脱しなければな」 心理学「偉ぶって承認欲求は満たされたかね?」 生物学「人は神じゃなくて進化した猿だってば」 人文学「本来は芸能の観客に感謝する言葉で…」 数学「“客=神”の定義が不明」 哲学「神は死んだ」
本来、お金を払う側と支払う側は本来は「対等」な存在です。
買う人がいるから、売る人が存在し、売る人がいるから買う人がいる、お互いに納得しないのであれば、「等価交換」をする必要がありません。
この本来的には正当であるべき関係が会社の利害関係や課された個人目標など、様々な要因によって蜃気楼のように事実が捻じ曲げられ、
冷静な頭で判断出来なくなることがあります。
今回のマーケ担当者と広告代理店であれば「主従関係」ではなく「対等」、つまり「パートナー」であるのが本来のあるべき姿です。
当然お互いの社としての目標を達成することを前提とします。
マーケティング担当Aは相手の状況を鑑みながら「相談」をベースに一方的ではない要望を伝えるべきで、
広告代理店Bは相手の要望を達成することを念頭に置く一方で、
本当にその要望は目標に達成するために必要なことなのか、を社内リソースとも相談をする必要があります。
そうして、両社がWin-Winとなるように話しあえる関係値や心構えがあることが、本来あるべき姿です。
これは各社の社内の関係でもそうです。
先ほどの例では最後に上司が「とにかくやれ!」といった形で終わりましたが、
ここも「会社」と「サラリーマン」においても、ある意味「お客様(給料を払う会社)は神様(言ったことはやれ!)」というフレーズが乱用されているのですね。
※よく一人前になるためには、徹夜してでもがむしゃらにクライアント様のために働いて一気に力をつけろ、といった話もありますがそれはそれで正しい部分もあるかと思いますが、今回の話とは違う軸のため、あえて触れません
広告代理店の立場から言えば、営業マンは先方の目標達成のために、
実際には成果達成の要因とはならない諸々の作業を「相談&提案」としてお断りをし、その空いたリソースを成果達成の要因となる部分に効率的に集めるのか、といったことが重要となります。
先ほどのマーケ担当Aさんが、実際は自分の要望が裏側で膨大な時間を必要としている一方で本当に必要な要望内容であったのかが分からないケースもあります。(これは知識差の問題なので良い悪いではありません。だからこそ広告代理店に依頼をするのです。)
その場合は、営業マンがAさんを広告という領域においてある意味教育をしてあげる、ということが必要です。
これは上から目線ではありません。「パートナー」だからです。
ここの関係値や本来的なあるべき姿がお互いに見えなくなってしまった時に、
どちらかが死亡フラグとなるのです。
(先の例の逆パターンでいえば、予算が少ないからといって広告代理店側が雑な対応をする等)。
それでは、本来あるべき「パートナー」としての関係値を改めて見てみましょう。
〜ここはとある某大企業の会議室(成功例)〜
マーケティング担当A「それでは御社に広告費年間30億円お預け致しますので宜しくお願い致します。」
広告代理店営業B「有難うございます!社内一同、御社のために頑張ります!」
A「宜しくお願いします!それではまずレポートは昨日までの実績を毎朝10時までにお送り下さい。項目はこれとこれとこの項目は必須で、あっあと、この項目も必須で、それぞれの考察をください。」
B「畏まりました!ただ、毎日のレポートでは十分にデータが蓄積されないため、きちんとしたデータで分析をするのであれば一定の期間を開けた週単位で見たほうがベストです。Aさんのお手間もかかってしまいますし。とはいえ、毎日の数字も気になるとは思いますので弊社からは簡易的ではありますが、必要数値のみを抽出したレポートをご共有させて頂きます。こちらで毎日チェックすること自体は可能で御座います。」
A「それもそうですね、あっ、あとお打ち合わせは週に2回2時間程頂きたいです。弊社にご足労頂けると助かります。その際の資料は毎日のレポートではなく、こちらから所定のアウトプット内容でお願いします。後ほどお送りしますね。
お打ち合わせの際にはBさんと、運用担当の方と、オペレーションの方と、クリエイティブ・ディレクターの方も参加頂きたいです。上長さんも参加頂けたりしますか?」
B「ご予算も大きい分、頻繁に状況のご報告が必要ですね!仰る気持ちすごく分かります。我々もそうです!先ほどのレポートの件でもそうですが、御社の目標達成のためには正確な根拠に基づく分析・課題抽出・必要に応じて方針改定が必要だと思いますので、ベストは隔週のお打ち合わせが宜しいかと存じます。
また、ばらばらと弊社チームメンバーからお話してしまうのも混乱を招いてしまうかもしれないので、事前に質問事項等を頂ければ私が社内で集約して取りまとめますので、逆に私一人のみの方が話が整理されるかと思います!
月次定例会等のお打ち合わせでは、他メンバーも参加させて頂いて大枠をそこで話す形で如何でしょうか?
日々不安がある際にはご連絡頂ければ、調整上、私一人でしかお伺い出来ない可能性も御座いますが都度お伺い致します!ご質問点があればメールや電話のみならず、Facebookメッセージとかでもコミュニケーション取れます!体制はそちらで如何でしょうか?」
A「なるほどですね!わかりました。あっ、あと!」
月次定例会ですが、社内報体制上、月初3営業日以内に1ヶ月分のデータを集計&分析して頂いて今後の方針も含めてご報告して頂きたいです。
お打ち合わせのお時間は3時間くらい見て頂けると有り難いです。あと〜〜〜〜〜」
B「恐縮ながら正直にお伝えさせてください。月初3営業日というのは弊社リソース的に難しいとことがあります。とはいえ、Aさんが社内に展開しなければならない報告書が必要だと思いますので、絶対にここは必要という部分を先にご報告させて頂き、その他補足周りに関しては5営業迄等、内容によって締め切りを細分化させて頂けますと大助かります。」
A「そうですよね!わかりました!あっ、御社のマージンなのですが20%は高すぎると思うので、5%値引きでお願いできないですかね?」
B「5%の値引きか、売上50%UPであればどちらを取りますか?笑
体制も強化して全力で取り組ませて頂きますので、後者をお取り下さい!笑」
〜社内に戻り〜
B「・・・と、皆で力を合わせて頑張りましょう」
チームメンバー「整理してくれて有難う!成功させるぞ!」
〜1ヶ月後とある某大企業の会議室〜
B「・・・と、以上がご報告となります(まずは1ヶ月乗り切った!!達成感!!)」
A「有難うございます。初月としてはまずまずですね。
あっ、あとそれと!!!!!!!!」
B「はい!ご要望お伝え下さいませ!内容によっては一部ご相談させて頂く点があるかと存じますが、全力で取り組ませて頂きます!」
チームメンバー「(にっこり)」
〜半年後とある某大企業の会議室〜
B「・・・とご報告は以上でございます!」
A「有難う御座います!目標達成もあと少しですし、体制もやりやすく私自身の仕事量も現在の体制で想定以上に減りましたし、その一方で目標達成が出来そうで感謝しています!」
B&チームメンバー「有難う御座います!こちらこそ諸々、ご理解頂きまして本当に有難う御座います!(にっこり×100)」
おばあさん「この打ち合わせの後、両社全メンバーで朝まで華金を楽しんで、さらに関係値を強固なものにしたんだよ」
桃太郎「へぇ〜!良かったね!!僕も大きくなったらお客様は神様だと叫ぶ鬼を退治する!」
おばあさん&おじいさん&担当A&営業担当B&チーム一同「(にっこり)」
めでたしめでたし。
と、こんなパートナーシップが理想ですね。

ばなな

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